非接触型決済

最近はカードの支払いだけでなく、スマホを使用したID決済が普及しています。現金の使用頻度が減少し、ATMもほとんど使用しなくなった方も多いのではないでしょうか。
仕事用のスマホやアプリなどを使用し、キャッシュレス決済やポイントで経費を払った場合の経理処理を考えてみます。

チャージタイプのキャッシュレス決済

SuicaやICOCAやpaypayなどがありますが、経理処理は2種類考えられます。

チャージした時に振り替える方法

現金や預金と区別し、資産の勘定科目に振り替えます。
「仮払金」、「預け金」、「前払費用」などがよいでしょう。複数のチャージ式キャッシュレス決済をお使いの場合は補助などを作成し、各残高が分かりやすくすることをお勧めします。

①1万円をチャージしました

■現金でチャージをしたり、銀行から振込した場合。

預け金 10,000円 / 現預金10,000円

■クレジットカードでチャージした場合

預け金 10,000円 / 未払金 10,000円
カードの決済日に未払金を消します。
(未払金 10,000円 / 預金 10,000円)

②チャージした1万円を使って、2,000円分の消耗品を購入

消耗品費 2,000円 / 預け金 2,000

※預け金の残高8,000円とチャージの残高8,000円が合っているか確認します。

チャージした時に費用処理する方法

suicaやパスモといった交通系のID決済で、バスや電車などの交通費にしか使っていない場合、先に費用処理して、決算時に残高を振り替える方法もあります。

①10万円をチャージしました

旅費交通費 100,000円 / 現預金100,000円

②期中にチャージした金額で電車に乗りました

仕訳なし

③決算時にチャージ残高が8,000円残っていました

預け金 8,000円 / 旅費交通費 8,000円

※交通費のマイナスをして、資産勘定に振り替えます。

この場合、チャージしたお金で別のもの(コンビニ等で消耗品)を使用してしまうと、他の費用が入ってきて面倒になります。この方法で仕訳する場合は使い道を限定することをお勧め致します。

付与されたポイントを使用して経費を支払った場合

最近のキャッシュレス決済はポイントが付与されるものが多くなってきました。カード支払いでもポイントが付与されますね。
決済機能のない「ポイントカード」を使用した場合と、paypayやnanacoなどチャージ式ID決済の残高として反映される場合が考えられます。

上述した「チャージ式ID決済」を使用してポイントが付与された場合、paypayは自動的に残高に反映されますし、nanacoは残高に反映するボタンがありますね。かなり面倒くさいですが、残高に反映された時点で「収入」として処理をします。

10円分のポイントがチャージ残高に反映された。

預け金 10円 / 雑収入 10円

決済機能のない「ポイントカード」のポイントを使用

ポイントカードのポイントを使用して買い物をした場合、経理処理は2種類考えられます。

「値引き」と考える場合

溜まっていた500円分のポイントを使用し、800円の消耗品を購入

消耗品費 300円 / 現金 300円

「収入」と考える場合

溜まっていた500円分のポイントを使用し、800円の消耗品を購入

消耗品費 800円 / 現金 300円
           雑収入 500円

レシート等を見て仕訳するときに、実際に使った現金のみで仕訳できる「値引きと考える場合」のほうが楽に思えますが、複数の費用が混ざっていたら如何でしょうか。
例えば運送業の方が、自動車の修繕費と一緒に消耗品を購入して、ポイントを使った場合、どちらの経費を値引きしようかなってなります。
「収入」と考えるほうが、複数の経費がある場合に仕訳しやすく、実際にかかった費用の額も分かります。しかし、「収入」となると消費税にも係わってきますので、顧問の税理士さんに相談してみると良いかと思います。