子犬

■「犬の登録」と「狂犬病予防注射」は飼い主の義務

犬の飼い主には、以下3点が法律により義務付けられています。

  1. 現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
  2. 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
  3. 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること

※この規定は狂犬病予防法という法律で定められています。

○狂犬病予防法

【第四条】 犬の所有者は、犬を取得した日(生後九十日以内の犬を取得した場合にあつては、生後九十日を経過した日)から三十日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長(特別区にあつては、区長。以下同じ。)に犬の登録を申請しなければならない。ただし、この条の規定により登録を受けた犬については、この限りでない。
2 市町村長は、前項の登録の申請があつたときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。
3 犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなければならない。

なぜ狂犬病予防法なのか

■世界では流行している

日本では1956年以降は狂犬病が発生していませんが、日本の周辺国を含む世界のほとんどの地域で依然として発生しています。WHOは現在狂犬病で亡くなっている人が年間5万9千人と推計しています。犬好きには辛いかもしれませんが、海外旅行の際は犬が近寄ってきても日本のように触らないことをお勧め致します。

■感染したら100%の致死率

感染すると平均30日の潜伏期のあとに発症し、不安感、頭痛、発熱、咬傷部の知覚異常があり、最終的に呼吸麻痺で死亡します。
予防には「狂犬病ワクチン」がありますので、ワクチンの接種をすることと、万がいち噛まれたときは傷口を消毒・洗浄し、すぐに医療機関で治療します。

過去においては国内でも人間が狂犬病に感染し死亡していました。犬の登録や予防注射が狂犬病予防にいかに重要な役割を果たすかが理解できます。

わずか50%!?予防注射数の割合

以下は平成30年の統計になります。

犬の飼育数推計890万頭
(参考:一般社団法人ペットフード協会)
犬の登録数622万頭
狂犬病予防注射数444万頭
(厚労省HPより)

飼育数は推計ですが、約50%しか予防注射を受けていないことになります。狂犬病が身近ではないのは平和なことですが、とても危険な状況であると感じてしまいます。

(2022年6月施行予定)マイクロチップの登録との関係

動物愛護法改正によって、マイクロチップの装着が義務化されます

  1. 犬猫等販売業者へのマイクロチップの装着、情報登録の義務化
  2. MCを装着した犬猫を譲り受けた者については、変更登録(住所変更など)の義務化
  3. 狂犬病予防法に基づく犬の登録の特例(ワンストップサービス化)
    ○MC装着に伴う犬の情報登録時には、市町村長に通知
    ○装着されたMCは、狂犬病予防法上の鑑札とみなす
    (第39条の7)

改正動物愛護法ではマイクロチップ登録の場合における、狂犬病予防法の登録手続の特例を設けるとなっています。
厚労省の「狂犬病予防法」と環境省の「動物愛護管理法」と重複してくる部分がありますので、新着情報があれば紹介していきます。