建設業

センギといわれる専任技術者の要件について見ていきます。
まず建設業許可を取得するには以下の5つの要件を満たしていることが必要です。

■建設業許可の要件
①経営の管理責任者がいる事
②専任の技術者がいる事 ←今日はここの話
③財産要件(500万円)
④欠格要件に該当しない事
⑤誠実性

では見ていきます。

専任技術者の資格

・国家資格等を有する場合
・実務経験を有する場合
 原則的に10年間の実務経験が必要だが、高校(または専門学校)指定学科を卒業していれば5年に、大学指定学科を卒業していれば3年に必要な実務経験が短縮される。

■国家資格等を有する場合

技術職員資格区分コード表に資格ごとに取得できる許可が列記されています。

※各法律ごとに用意されている資格の例

〇建設業法
施工技師とか施工管理技士といったメジャーな資格があります。これは現場を取り仕切る人の資格です。
施工管理技士の試験には実技が入っていないです。現場管理の考え方でペーパー試験のみです。

〇建築士法
例)1級建築士、2級建築士
テレビのリフォーム番組で出てくる匠さんが持っているのは、だいたいこの資格です。
主に設計図を書く試験ですので、実技等は無いです。

〇電気工事士法
例)第1種(第2種)電気工事士
電気の業界にいるとスタンダードな資格

〇職業能力開発促進法
技能検定にパスした技能士という職種の資格
実技の試験なので、現場を取り仕切るというよりは、職人さんタイプです。たくさんの種類の技能士があります。

〇基幹技能者
新しく専任技術者として認められた資格です。技能士に近い資格です。

■実務経験を有する場合

都道府県によって確認資料の難易度が異なります。東京都の場合裏付けとなる資料が10年分必要となるが、なかなか難しいです。建設業許可を持っている会社での経験は決算変更届で確認しやすいですが、許可を持っていない会社の場合は、請求書や注文書の控えなどが必要となってきます。自治体によって差がある部分なので窓口での確認が必要です。

常勤性

ケイカンとセンギは営業所への常勤性が求められます。2社以上で重複することはできません。申請しても国交省のデータベースに載っているので弾かれてしまいます。
一般的には社会保険に入っているかどうかで常勤性を確認することが多いです。
なおケイカンとセンギは兼任可能ですので、経営経験と資格があればセンギにもなれます。
専任技術者は営業所ごとに配置が必要になります。営業所が1か所の場合センギは一人いれば大丈夫です。

まとめ

実務経験を証明することは難しく、ほとんどの場合は国家資格等で要件を証明します。
資格を持っていると、その業種で専任技術者になれますので、センギ(専任技術者)次第で取得できる許可が決まってきます。
例えば経営管理責任者がいて、1級建築士を持った専任技術者がいれば、今まで何の工事を専門にしてきたかは関わらず、
・建築一式
・大工
・屋根
・タイル
・鋼構造物
・内装
の許可が取れてしまいます。
つまり土木の経験しかない事業者さんでも、1級建築士が入ってきたら建築の経験がなくても建築の許可は取れます。
役所側は法定された要件に合っているかしか見ることができないので、経験が無いからと言って不許可にすることは出来ない(行政に裁量がない)のです。