建設業許可取得のさい、今まで建設業法上は社会保険の加入が要件とされていませんでした。
加入していないと受付けない県もあったようですが、基本的に加入していなくても許可はおりていました。あとから指導が来るくらいです。
2020年10月以降は加入していないと受理されませんので注意してください。他の業務になりますが、外国人のビザ取得の際も社会保険関係は見られるようになってきています。
正直、経営者にとっては負担にしかなりませんが、そもそも加入しなければならないものですし、現在は厳しくみられる流れになってきています。
項目 | 法人 | 個人 |
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健保・年金 | 従業員0人でも強制加入 | 原則未加入、5人以上雇用するなら加入 |
雇用保険 | 従業員1人以上なら加入 | 従業員1人以上なら加入 |
社会保険とは
■社会保険の種類
医療保険 | 病気やケガに備える公的な医療保険制度 ex)国民健康保険/健康保険 |
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年金保険 | 老後や障害状態に備えた年金 ex)国民年金/厚生年金 |
介護保険 | 40歳になったら原則加入する介護サービスの為の保険 |
■「協会けんぽ」か「組合健保」
全国健康保険協会が運営しているのが「協会けんぽ」です。中小企業零細企業が主に加入しています。
「組合健保」は独自で健保組合を設立したものです。大きいところでは例えば「トヨタ自動車健康保険組合」があります。単独運営でなくても「関東ITソフトウェア健保組合」など同じ業種の企業が集まって設立することもできます。
組合健保のほうが保険料率など優遇されていることが多いのですが、加入要件がありますので、要件に満たなかった場合は「協会けんぽ」に入るしかありません。
建設業には以下のような組合健保がございます。
・建設連合国民健康保険組合
https://www.kr-kokuho.or.jp/
・全国建設工事業国民健康保険組合(建設国保)
http://www.kensetsukokuho.or.jp/
■被保険者になる人
常時使用されている人は原則として被保険者になります。
例)代表者、役員、正社員(試用期間含む)
〇パートアルバイトの加入基準
正社員など一般社員の4分の3以上の労働時間の場合、もしくは、以下の表になります。
従業員が501人以上の会社 | 週20時間以上働く方 |
従業員が500人以下の会社 | 週30時間以上働く方 ※労使で合意すれば会社単位で社会保険に加入できる |
■協会けんぽへの加入
健康保険の給付の手続や相談等は、協会の各都道府県支部で行い、健康保険の加入や保険料の納付の手続は、日本年金機構(年金事務所)で行っています。
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyosho-hiho/jigyosho/20150311.html
■社会保険の納付処理
従業員への給与等の支払い時に従業員支払分の社会保険料を控除し、会社負担分と合わせて毎月末までにそれぞれの納付先へ納めます。
社会保険料は原則翌月に徴収します。例えば、5月分の社会保険料は6月支払いの給与にて控除され、6月末までに納付します。
下のリンクは都道府県毎の保険料額表です。協会けんぽのサイトになります。組合健保は組合ごとに保険料が設定されます。
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/
雇用保険とは
雇用保険 | 失業者の生活を保障し、再就職を支援する制度 |
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労災保険 | 業務中にケガや障害を負ったときの保障制度 |
■雇用保険への加入
雇用保険 | 会社の住所地を管轄するハローワークで行います |
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労災保険 | 会社の住所地を管轄する労働基準監督署で行います |
■雇用保険の納付方法
雇用保険料は、労災保険料といっしょに「労働保険料」として、原則として年に1度、まとめて申告・納付します。
雇用保険は従業員の給与から預り金とします。雇用保険の料率はときどき改定されますが、会計ソフトで設定できます。会計ソフトのサポートで連絡がくるかと思います。
労働保険は全額会社負担です。申告納付書が届きますので、書類にそって計算して納付します。
まとめ
ひとつひとつの作業は難しくないですが、窓口が異なっていたりしますので、手間はかかってしまいます。新規で加入申請するときと、最初の給与計算を乗り越えてしまえば、後は同じ作業の繰りかえしですが、面倒な場合は弊所までご相談ください。弊所では社労士さんもご紹介できますので、相談の窓口としてご利用頂ければと存じます。
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