開設前の準備
①事業計画・銀行融資・診療科目の検討
医療機器は高額ですが、融資を受けて買い取りをするのか、リースが良いのかはケースバイケースです。政策金融公庫は開業前に創業融資の相談が可能です。また国や各自治体などの助成金をチェックすることをお勧め致します。
②間取りの決定→保健所へ確認
保健所により間取りの指導は異なりますので、事前に担当者に確認をとることが安全です。X線室を作る場合は必要事項等も確認。
法令上問題のない間取りでも保健所の解釈と相違ないことを確認して、後のトラブルをさけます。
③工事見積
建築基準法、消防法、都市計画法、ハートビル法、その他地域の条例を建築業者・工務店と確認。テナントはビルの管理会社にも確認
※医療機器は普通のコンセントでも使える場合と、専用のコンセントが必要な場合があります。将来的に台数を増やすのであれば必要アンペアも確認しておくとよいと思います。
後から機器を選ぶと再度工事が必要になってしまう場合があります。
※代表的な脱毛用レーザー機
アレキサンドライトレーザー | ヤグレーザー | ダイオードレーザー |
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定番の脱毛器ジェントルリーズのレーザーがアレキサンドライトです。 日本人の肌と相性が良いです。 | YAGレーザーは波長が長いため、皮膚表面は透過して、毛包部まで到達することができます。 皮膚表面のメラニンにはあまり反応しないので、日焼け肌や色黒の方にも対応できるというのようなメリットがあります。 | ダイオードレーザーを採用している脱毛機はどれも照射口が広い特徴があります。 これは施術時間が短く、看護師さんも負担が少ないということがあります |
例)ジェントルレーズ プロ(GentleLase Pro) キャンデラ社 | 例)クールグライド(CoolGlide) キュテラ社 | 例)メディオスター・ネクスト(MeDioStar NeXT) |
個人医院開設届
医療法人を設立する場合は「許可」が必要ですが、個人医院であれば「届出」で済みます。
「許可」は行政側が許可を出すか否かを判断しますが、「届出」は書類を集めて提出するのみです。書類さえ整っていれば受理されます。
医師であれば「届出」のみで診療所を開設することが可能です。
※本人届出以外は行政書士の資格がなければ代理届出できません。無資格ブローカーに注意してください。
◇診療所開設必要書類
開設届出書 | 保健所へ開設後10日以内に提出 (診療所の工事着手前から事前に協議しておく) |
医師免許証 | 届出窓口で原本を照会します |
平面図、敷地図、案内図 | |
管理者の履歴書 | 2か所で管理していないか確認されます |
建物登記簿謄本 | テナント物件の謄本を取得します |
賃貸借契約書 | 使用権原を証明するもの |
医療情報検索サービスへ登録
保健所データをもとに都道府県が開示します。
地方厚生局へ保険医療機関指定申請
※保険診療を行う場合です。他の県で「保険医」であっても使うことはできません。
◇要件
・医療法上の医療施設であること
・管理医が当該都道府県登録の「保険医」である
・保健所にて開設届出済であること
・管理医が他の施設に勤務していないこと※休診日にバイトするのはOK。
登録が完了すればレセプトで必要な医療機関コードが書かれた「指定通知書」が届きます。
毎月締め日までに申請して、翌月1日から指定されます。締め日を過ぎてしまったら、1カ月間保険診療ができない時期ができてしまいますので、注意してください。
物販を増やしたい
脱毛やダイエットの施術、美容室のスタイリング等はお客様が入店してから1時間~2時間とかかります。
そこには必ず人件費が発生し、ベットや椅子の数、面積に応じた売上が上限になってしまいます。
営業時間を1回あたりの平均施術時間で割って、椅子やベットの数をかけてみてください。その数字×施術の平均単価が一日の売上の上限です。
それに月の営業日数(30日とか)をかけると、仮に満席が続いた場合の1か月の売上がだいたい見積もれます。
その売上から家賃と従業員費を差し引くとざっくりとした利益が想像できます。(ベットの数で従業員数も想像できますね)
しかしお客様の予定もありますし、満席が続くのはほぼ不可能であります。コースで購入したお客様の施術消化でベットが埋まっていたら売上のあがる新規顧客の体験施術もできません。
さらに機械や設備の費用を借りていれば返済もあります。
どうでしょうか。結構シビアな数字になりませんでしょうか。
役務(サービス)の提供は労働生産型で人や場所というコストのかかる資産があって売上が可能になります。大きく広げると売上アップも望めますが、それだけ大きな資産を抱えることになります。
コロナショックなど不景気などの影響を受けやすいといっても過言ではないかと思います。
エステなど特に物販(商品の販売)に力を入れます。商品の販売は人や時間をかけずに売上を上げることができる強い味方です。
しかもお客様と対面時間が長く、商品の良さを説明できますので、店頭販売やネットより高額の商品を売りやすい傾向があります。というか高額商品を売らなければ意味がありません。コースとセットにして重ね売りしてもいいくらいです。しかし、医療機関の場合は広告規制もありますし、非営利性に反しないのかなどという意見もあります。医療の付随業務として施術と関連性を持たせる必要がございます。
医師や看護師が進めるスキンケア化粧品、美容師が進めるシャンプーやリンス、エステティシャンが進める健康食品などは説得力がかなりあります。
少しでも売上を増やすため、物販は必ず取り入れるとよいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか。日本は自由開業医制であり、医師であればいつでもどこでも自由に開業できます。医師個人で診療所を開設するのであれば、事後の届出が基本てす。それに対し、医師以外(医療法人等)が診療所を開設する場合は事前許可となっております。
なお、本人届出以外は行政書士の資格がなければ代理届出できません。無資格ブローカーに注意してください。