建設業

建設業の方は建設業法にそって、業務を行ったり、許認可を取得したりしますが、建設業法第1条の内容はご存知でしょうか?

ちなみに、
税理士法第1条は、「税理士は、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、申告納税制度の理念にそつて、納税義務者の信頼にこたえ、租税に関する法令に規定された納税義務の適正な実現を図ることを使命とする。」と規定しています。
司法書士法は第2条ですが、「司法書士は、常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正かつ誠実にその業務を行わなければならない。」と規定しています。

どの法律も最初の章に「信頼」とか「品位」「誠実」といった精神論的な内容の言葉がたくさん出てきます。
他の条文で違法にはならない場合でも処分できるように置いているのかもしれませんが、少なくとも専門家はプロとして誇りを持ち続けていなければならないのかと思います。
なかなか難易度が高いですが、時々思い出すことを心がけています。

建設業法第1条は、建設業法の目的を書いていて、
「この法律は、建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」
と規定しています。
①発注者を保護する + ②建設業の健全な発達を促進 → ③公共の福祉の増進に寄与する
といった文章内容でしょうか。

衣食住の「住」を提供する建設業は基本的に受注生産です。お客様は人生で一番高い買い物にもかかわらず、完成品を前もって見ることができません。
きちんとした技術があるのか、工事途中で潰れたりする会社ではないのか等の不安はありますので、「発注者の保護」と「建設業の健全な発達」は納得の内容ですね。

お仕事への価値観や使命感は人それぞれかと思いますが、自分の仕事が何を求められているのかを考える根幹が載っている文章なのかと感じられます。

なお憲法第1条は「天皇象徴制」が書かれています。
なぜ第1条にこの文章を持ってきたのか、考えてみるのも面白いですね。

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