遺言書保管

令和2年7月10日から自筆証書遺言を法務局で保管できるようになりました。


今までは自筆証書遺言は引出しの中にあったり、銀行の貸金庫とか、あとは相続分が多い人に預けたりしているケースが考えられました。
面倒なのはその遺言書が本物かどうかの確認(家庭裁判所での検認)をしなければなりませんでした。
これからは本人が持ち込みをして法務局が本人確認をして預かることによって、その遺言書は本人が書いたものとして取り扱ってくれます。(家庭裁判所での検認がいりません)

公正証書遺言と違いお金もかからない(手数料3,900円)ので、せっかくなので私も書いて、保管してみようと試してみました。
うちは子供がいないので、もし交通事故とかで早死にしたら、親とか兄弟とかにいくらか相続されるので、それは違うなーっと思い、念のための遺言書です。
お金がかからないと撤回や変更もしやすいですし、気軽に遺言できますね。

①遺言書の作成(約5分程度)

自筆証書遺言は基本的に自筆です。財産目録等はパソコンでもOKになりましたが、それでも自署が必要です。
私は不動産は無いですし、株式等はすぐにポートフォリオを入れ替えるので、財産目録などは書かずに、1枚ペラで簡単に書きました。

財産の種類がたくさんあり、相続関係が複雑なら時間と労力がかかるので、専門家に見てもらうことをお勧めします。その際は是非とも弊所までご相談ください。

②申請書の記入(約10分程度)

法務局へ遺言書を提出する際の申請書を書きます。法務局のホームページからダウンロードできます。直接入力できると書いていましたが、私がやった時は何故か数字やカナしか入力できず、仕方ないので印刷して手書きしました。
ここに遺言執行者や死亡したときに通知する人を書きます。保管した後に通知する人の住所が変わったら法務局へ変更の申請をすると安心です。(変更をしなくても遺言書の効力には関係ありません)
最寄りの法務局もこの時に検索します。

③予約

法務局へ行く日を予約します。私が遺言書を書いたのが7月10日(金)です。すぐに持ち込もうとしたら意外と埋まってて、最短で翌週の木曜日でした。訪問までに必要書類を用意しておきましょう。
◇必要書類
・本籍の記載のある住民票
・手数料分の収入印紙(3,900円)

④法務局へ訪問(待ち時間30分、自分は1分)

13時に予約していたので、5分前くらいに着きました。私の管轄は横浜地方法務局。5階の供託課です。(司法書士のシマだなぁ・・)
行政書士ではなく、慣れていない風に入って、キョロキョロしていたらやっと話しかけてくれました。

待っていると前の人が書類の書き方でもめています。
法務局では内容の確認は基本的にしないはずです。ハンコや日付があるかなど形式的なことしか見てもらえません。しかし前の人は不動産の地番がないとか何とか、ずーと訂正したりしていました。


(内容確認しないとはいえ、実務的に気づいたことはアドバイスせざるおえないんだろうなー。)


しばらく待ってると隣の窓口に他の担当者がきて、私の書類だけ先に預かってくれました。
ずーと待つこと30分。時間をかけてくれる人には親切かもしれませんが、ほかの予定あったらどうするんだろう(*_*)

まだ終わらない前の人が追加書類を探している間に、やっと「吉田さまー」と呼ばれました。
ようやく自分の受付が開始されるーと思ったら、「保管できましたので、ここに印紙を貼ってください」って。。
え・・。終わり!?
保管だけなら普通は時間かからないのだろうな。

話し足りなかったので、印紙を貼りながら少しだけ質問しました。
私「ここって内容の確認はしないんですよね?」
法務局の人「はい。内容の確認は致しません」
私「ハンコとか形式だけの確認ですよね?」
法務局の人「はい。」
私「にしてはずいぶん待ったなぁ(ボソッ)」
法務局の人「・・・。」

保管証が貰えます

帰ろうとすると、待っている人がたくさんいました。需要あるんですね。この便利な制度ができたら書士の仕事が減るかなとか思っていましたが、逆に遺言書を書くことが身近になり、アドバイスできることは増えるような気がしました。
待っている人たちに名刺を配りたい気持ちを抑え、おとなしく帰りました。

おまけ

最後に法務局のお得情報。法務局の自販機ってすごく安いんです。セドリで儲けられるんぢゃないかってくらいに。
法務局に来た際は立ち寄ってみてください